さあいよいよ後半戦。
ちょっと濃い目の話が続いたため今日はちょっと軽い話題のみにしよう…と思ったんだけど、なんかテキスト付け足しまくっていつものように濃い目の話になっちゃいました。
ようするにいつもの通りって事かみ。
今回のスポットは殆どの人が「この二人誰?」」な感じで活躍している「小暮」「石神」の二人にあててみます。
チャッチャチャーン・チャチャチャチャン♪
第5号・ショッカーと戦う人間達
前々回で本郷猛にまつわる「改造人間の孤独」について書いたが、「仮面ライダー」以外にもショッカーと戦う意思を持った人々はいた。
彼らはショッカーの脅威にさらされながらも生き延び、殺された家族・友人らの仇を討つために集い、力を合わせその社会の闇を白日の元にさらそうとする。
警察も相手にしてくれない社会の闇を彼らは自ら暴こうとするが…その志半ばにして多くの物が怪人達の手にかかり死んでしまう。
仮面ライダーTV本編では犠牲者の遺族などは一話限りのゲストである事がほとんどであるためほとんどクローズアップされてはいないが、毎週のように行われるショッカーの作戦の影にはこのように相当な数の被害者とその遺族がいたはずなのである。
ショッカーと戦う組織としては滝和也の所属するFBI、あるいは少年ライダー隊が有名である。
少年ライダー隊はある意味「特別扱い」として、TV本編では「凶悪!にせ仮面ライダー」「8人の仮面ライダー」「ゲルショッカー 首領の正体」の三部作に民間組織としては唯一「アンチショッカー同盟」が登場している。
そして「新 SPIRITS」の被害者の中で難を逃れ生き延びたこの二人こそ、「アンチショッカー同盟」のリーダー、小暮精一郎と石神千恵なのである。
この3部作は「仮面ライダー」の中でも屈指の有名な話ではあるのだが、多くの人にとっては(恐らく当時の子供達にも)6人も登場するニセ仮面ライダーの方が記憶に残るためアンチショッカー同盟の事に気づかれない事の方が多いだろう。
二人は自分達の代わりにショッカーに捕らえられた一文字を救うため奔走するが、やはり警察には相手にしてもらえない。
ワラをも掴む思いの二人はもう一人のショッカー犠牲者遺族である緑川ルリ子と共に、ショッカー基地に潜入するのだが…時既に遅く改造された一文字の姿に衝撃を受ける。
恐らくはこの時の決意が小暮・石神両名の運命をも決めさせたのだろう。
この言葉が一文字にも「決意」をさせる…これについてはまた後ほど語るとしよう。
この二人の活躍の舞台は「二号ライダー誕生編」がメインとなるのだが、ぶっちゃけてしまうと同行しているルリ子の活躍が素晴らしいために結局あまり目立った活躍はしていない。
そこで今回はこの二人が今後作り上げていく「アンチショッカー同盟」について考えてみるとしよう。
TV本編での彼らは独自の情報網により「ゲルショッカー首領の正体を記したコンピュータテープ」を入手し(話の中で「正体を記したテープ」ではなく「首領が日本に訪れる日時と場所を記したテープとなったが)それを同盟本部に届けるために仮面ライダーに接触する。
その最中ニセ仮面ライダー達のかく乱に合いながらも、コンピュータテープ争奪戦に勝利するのであるが…
結果的には彼らが手に入れた「首領の正体につながる手がかりの情報」そのものがゲルショッカー首領の罠であり、怪人ナメクジキノコの手によって小暮・石神は殺されてしまい、TV本編に登場したアンチショッカー同盟に関する話はここまでで終わってしまう。
だが「アンチショッカー同盟」がリーダーの死亡によりどれほどの打撃を受けたかについてはいささか疑問が残る。彼らは「人間」である事を自覚しており、単純な武力でショッカーに対抗出来ない事はわかっているはずである。
したがってその活動は諜報活動に重きがおかれるはずだし、コンピュータテープの受け渡しを行っていたのがシスターの職についていた(あるいはシスターに扮していたのかもしれないが)所から、彼らの活動の本質は草の根運動的な物だったと思われる。
そういった組織は横の繋がりが強いため上層部をつぶしても組織全体に対する打撃には結びつきにくい。
アンチショッカー同盟がショッカー・ゲルショッカーとの長きに渡る闘いの中で実態を掴ませなかった理由もそうした理由からではないだろうか。
とはいえ「アンチショッカー同盟」のその後に関しては番組本編はもちろん「SPIRITS」内でも」殆ど触れていない。だが仮に壊滅的打撃を受けていたとしても、彼らのような人々は絶えなかっただろう。
後に「仮面ライダーV3」でデストロンと闘う組織「デストロンハンター」が生まれ、「SPIRITS」ではその生き残りである佐久間ケンがBADANと闘う組織として「SPIRITS部隊」を創りあげている。
「アンチショッカー同盟」を創りあげた小暮・石神はゲルショッカー首領の最後を見る事なく志半ばに倒れたが、彼らの…「人間」の闘いは決して無駄な物ではなかった。
悪魔達の犠牲者が増えれば増えるほど彼らと戦おうとする者達も生まれるのだから。
さて、今回の話で「ニセ仮面ライダー3部作」の話が出てきた所で、次回6回目ではいよいよ「彼ら」に関する話です。
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