大解説!「新 仮面ライダーSPIRITS」(6)

読んでる方達もいいかげんだれてきてるかもなーと思いつつ、まだまだ語り足りない事だらけの「新 仮面ライダーSPIRITS」。
いや、マジで7回は長いと思うみ。
今回のお話は「2号ライダー誕生編」に現れる「あの5人」の、ネタ部分について解説いたします。

第6号・7人の仮面ライダー

本郷、ルリ子達が一文字救出のためショッカー基地に潜入した頃、藤兵衛と滝は同基地内でただならぬ男達の襲撃を受けていた。

村枝作品のどこかで見た事があるこの方達、中の人達が休憩中…というわけではなく…一文字と同時期に改造された改造人間。

死神博士の手により「第一号」本郷猛よりも強化させた形として誕生した「仮面ライダー」なのである。
「お見せしよう」は有名なTV本編での一文字隼人・初変身時のセリフ。

そして人間体のモデルは「仮面ライダーをつくった男たち」に登場した大野剣友会の最古株の方々。



 

5人とも「仮面ライダーをつくった男たち」より。
※大野剣友会とは昭和ライダーシリーズでアクションを勤めた方々。「仮面ライダー」を影で支えてきたその活躍は村枝氏のコミックス「仮面ライダーをつくった男たち」にわかりやすく描かれています。

まあこの編はネタというか笑いどころとして注目なのはこの変身後。

特撮のスーツ物では同一人物でもスーツアクターによって体型が異なる事がしばしばあるのだが、特に2号ライダーは中の人によって「エラ張り」になったりと変化が著しい。
(旧1号でもその傾向はあったがマスクとヘルメットのカラーリングが濃緑色で統一されていたためにあまり目立たなかったし、新1号以降はマスクの止め具が改良されたためにアゴのラインがスマートになっている)
我輩、ここまでTV本編を意識したコミカライズはかつて見た事がないですよ。

まあ笑いどころはここまでとして…この時点で本郷・一文字を除いて5人の「仮面ライダー」が生まれているわけだが、この5人という人数がまたツボなのである。

前回でも触れたが「仮面ライダー」TV本編でも指折りの有名なエピソードの一つに6人のショッカーライダーが登場する「凶悪!にせ仮面ライダー」「8人の仮面ライダー」「ゲルショッカー 首領の正体」三部作がある。
この話は故・石ノ森章太郎先生のマンガ版仮面ライダーでの二号ライダー登場エピソードである「13人の仮面ライダー」のオマージュとして知られている。



石ノ森章太郎版「仮面ライダー」より

本郷ライダーの前に忽然と現れる12人のショッカーライダー。
この石ノ森章太郎独特のコマ割りと12対1の絶望的展開は非常に迫力があり、本郷猛の絶体絶命感は言い知れぬ物がある。

ちなみにこの漫画が掲載された頃にTV本編では主役交代により一文字隼人=二号ライダーが登場するのだが、この12人の中にもすでにショッカーの一員とされてしまっている一文字隼人がいる。

番組本編でもスタッフはこの展開を再現しようと考えていたそうだが、予算など諸々の事情でショッカーライダーを11人登場させる事ができず6人にとどめたらしい。

そう、TV本編でのゲルショッカー・ライダーが6人、「新 SPIRITS」に登場する5人、そしてダブルライダー。
石ノ森版と同じ「13人の仮面ライダー」が登場しているのだ。

この石ノ森版「13人の仮面ライダー」は一文字への交代劇も含んでいるため、ファンには無視し得ない衝撃の展開がある。



本郷はここで肉体的には死んでしまうが、頭脳だけを一文字とリンクさせ共に闘う事になる。
もちろんTV本編での本郷猛は「ヨーロッパに渡っている」事になっているので死にはしないのだが。

現在こそ「歴代ライダーが登場」という形で複数の仮面ライダーが入り乱れる展開は当たり前のように映像化されているし「仮面ライダー龍騎」のTVスペシャルも「13人のライダーが一同に闘いあう」という物だったが、初代の仮面ライダーで「13人の仮面ライダー」を映像化したい、というスタッフの願いと困難はいかほどの物であったか計り知れない。
故・石ノ森章太郎先生のファンとしてはこうした「本編で果たせなかった」事へのこだわりがうれしい。

肝心の5人のショッカーライダーと本郷らとの闘いについては「新 仮面ライダーSPIRITS」2巻以降の展開となるため、ここではあえて割愛します。
さて、語りたい事もあと一回。最後はルリ子と一文字の二人について考察します。

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